大切なお産
当院には助産師さんもよく来られます。
産後は助産師であっても新米ママに変わりないです。
この前来てくださった助産師さん。
いろんなご相談のあとに
お産があまりない病院に勤めていたので
ほとんど分娩介助ができていない。
産後復帰してから
助産師としてやっていけるのか不安。
と、話されていました。
そのようなご相談が最近あいついだので
少し書いておきたいと思います。
お産が多い病院、少ない病院があります。
私が大阪で勤めていた病院は
年間1000人以上のお産がありました。
仕事にいけばほぼお産がある。
夜勤中に5~6人産まれるときもある。
そんな病院でしたので
勤めている期間に私がとりあげさせて頂いた
赤ちゃんは700人。
他のスタッフのお産のサポートにも入るので
みてきたお産は数千人になります。
では、数が多ければ良いのでしょうか。
もちろん同時にすすんできた産婦さんが
安全に出産できるように
助産診断をしていく力は
身につくと思います。
しかしもっと大事なことは
その一例一例をきちんと振り返ったか、だと思います。
同じお産だった人はいません。
それぞれのお産があります。
私が助産師になってからこれまで
分娩介助させていただいた方すべてのお産の記録を
MY助産録に残しています。
個人情報のことがあるので中を見せれませんが
妊娠中の経過
分娩の経過
産後の経過を
詳しく書いてます。
助産録を紛失するといけないので
ママの名前は書いていません。
妊娠中の貧血、高血圧、体重増加などが
分娩にどう影響したか?
分娩中の自分の助産診断は正したかったか
それによる私のケアは分娩にどう影響したか?
分娩中の赤ちゃんの心音の変化が
出生後の臍帯血ガスからどう読み取れるか?
長引くお産は待っていて良かったのか
早くアクションをおこしたほうが良かったのか
産後のバースレビューはどうだったのか
バースレビューを通して
自分の声かけやケアで良かったこと、反省すべきことはあったのか
産後の不安事は何だったのか
などなど、書き込んでいます。
お産はそれぞれいろんな経過がありますが
振り返ることで次につながります。
ですが、正直、お産が多い病院だと
夜勤中次から次にお産になり、
やっと朝だ、、😰と勤務が終わると
一例一例振り返る余裕も
満足できるケアも
思うようにできていないこともあり。
逆にお産が少ない病院だと
一例一例、しっかりと関われます。
退院までに何度もお話を伺うことができます。
数よりも質といいますか。
これから新人の助産師さんや学生さんも
不安なきもちでいっぱいかもしれませんが
私が後輩たちにいつも言ってきたことは
「何かしてあげたいと思うことが大事」
知識や経験はまだない。
でも自分にできる精一杯で、何かしてあげたい、
力になりたいと思うこと。
それはママや赤ちゃん、そのご家族に
必ず伝わります。
現に、私が助産師学生だったとき
内診もわからない、助産診断もうまくできない、
でも一晩中陣痛の痛みを和らげるために
腰を温めさすり続けたママからは
いまだに年賀状をいただきます。
頼りなくてあたふたしていただけの私に。
もう10年たつのに、いまだに覚えてくれています。
ママや赤ちゃんのために
もっと何かしてあげたい、
もっと力になりたいと思えば
自分から率先して先輩からアドバイスを受けたり
研修にいったり本を読んだり
そうしてるうちに知識はついていきます。
振り返りをすることで経験はより深く身につきます。
助産師学生のときに
無我夢中で分娩介助をしたあとに
外回りに入っていた同じ学生の友人から
「赤ちゃんの一生のはじまりは
ママでもなくドクターでもなく
助産師の手からなんだよね!!」と
興奮気味に話してくれたのを今も覚えてます。
はじめて赤ちゃんに触れて抱けるのは
助産師です。
そんな尊い仕事、、天職です。
助産師ってすごい、素晴らしい、と、
私も改めて思いました。
助産師もいろんな人がいます。
妊娠中の保健指導が好きな助産師
分娩介助が好きな助産師
おっぱいケアが好きな助産師
性教育が好きな助産師
産後のケアが好きな助産師
そのほか、いろいろ、いろんな助産師がいます。
でもみんなベースにあるのは
ママや赤ちゃんの笑顔のため、
みんなが健やかに生きていけるように、
だと思っています。
最近もまたパート先の産婦人科で
ときどき分娩介助させていただいてます。
私はやっぱりお産が好きです。
なので開業してしばらくお産から離れていたぶん
お産に立ち会えることが
本当に嬉しいです。
止まっていたMY助産録がまた続いていきます。
いつになっても
助産師として今なにができるのか?
私は何をしている時が楽しいのか?
それを忘れなければ
どんな病院に勤めていても、開業しても
ご自身が理想とする助産師として働けると思います。
今後もママや赤ちゃんのため、
一緒にがんばりましょう🕺
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