赤ちゃん返りの対応

最近、2人目や3人目を出産し
上の子の赤ちゃん返りが大変です、というご相談が多いです。

中には、言うことを聞いてくれない上の子に
イライラして手を上げてしまう、
虐待してしまいそう…と
かなり追い詰められてしまっている方や、
上の子優先とよく言われるけど
優先してたらキリがなくて…と
涙される方もいます。

生まれたばかりの赤ちゃんのことよりも
上のお子さまの対応で悩んでます。

生まれてきてからこれまで
上のお子さまにとって
ママは自分だけのものでした。
みんなに注目してもらえていました。

赤ちゃんが新しい家族になったことでの
環境の変化への戸惑い、
赤ちゃんにママをとられた悲しさ、寂しさ。

いろんな表現で上のお子さまが伝えてくれるのが
いわゆる赤ちゃん返りと呼ばれるものですね。

どんな対応をすればいいのか、
私の見解でお話します。

子どもは自分の中に渦巻く感情を
なんと表現していいのか分かりません。

ママをとられて
さみしい、悲しい、悔しい、イライラする、
その気持ちが言葉で表現できないから
「おっぱいあげないで!」
「赤ちゃんは抱っこしないで!」と、
泣いたり、わめいたりします。
赤ちゃんを叩いたりつねったりもします。
今までひとりで出来ていたことも
やらなくなったり、できないフリをします。

「お兄ちゃん、お姉ちゃんになったんだから
言うこと聞いて!我慢して!」と言っても
お子さまは自分の中で渦巻く感情の行き場がなくなり
よけいに悪化することもあります。

まずはお子さまの感情を受け取ってください。
赤ちゃん返りしているお子さまを抱きしめて
「悲しいよね」
「怒ってるよね」
「さみしいよね」
と伝えてください。

ママが自分のことを理解してくれている、
そしてママの腕の中は安心できる。
そう思ってもらうことが大切です。
もし暴れて抱きしめることができなければ
背中に手を置くだけでもいいです。

これは赤ちゃん返りだけでなく
イヤイヤ期や、思春期のお子さまでも同じです。

悲しいのに笑っていたり、
怒っているのに涙が出たり。
自分の感情がわからないまま大人になってしまいます。

子どもの頃から周りの大人たちに
自分の感情を認めてもらうことが大切です。

もう一つのおすすめが
上のお子さまと二人っきりの時間をつくること。
寝る前の5分でもいいんです。
余裕がなくて怒ってばかりだった…という日も
1日の最後は
「我慢して、待っててくれて、ありがとうね」
「すごく助かったよ、ありがとうね」
「ママはあなたのこと大好きだからね」
と伝えてくださいね。
上のお子さまはとても喜びます。

そうしていくうちに
赤ちゃんがいる新しい環境に慣れていきます。
その慣れる過程も受け止めてあげてくださいね。

そうは言っても
産後すぐの寝不足で疲れた体で
どうにもイライラしてしまう方は
他の大人に頼ることも大切です。
余裕がなくていっぱいいっぱいなんです。

何かの記事で
「子ども一人育てるには村一つぶんの大人が必要」
というのを見かけました。

今日もおっぱいトラブルで来院された2児のママ。
里帰りはしてるけれど実母も忙しいし、
夫は仕事で忙しいと。
外で遊びたい、動き回る2歳児と生まれたての赤ちゃんを
一人でみていてヘトヘトでした。
おっぱいのトラブルもよくよく話を聞くと
頑張りすぎて疲れているのが原因でした。

そこで子ども一人に村一つぶんの人手が必要なこと、
2人を見てるなら村二つぶんよ!と、話すと
「夫にせめて村一つ手伝ってもらうように
言ってみます」と、ママは笑ってました。

家族が難しいなら第三者に頼ること。
いろんなサポートをフル活用してください。

何でもひとりで抱え込まないでくださいね。
助けて、と言わないと誰も気づいてくれません。

上のお子さまがかわいくない!
赤ちゃん返りしんどい!
そう思い詰めてしまっている方に、届けばいいなと思います。
きっとお子さまも、何とかこの感情を整理しようと
頑張ってくれていますよ!




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