研修風景

先日、福岡からクリニックにお勤めの助産師さんが
乳房ケアの研修に来てくれました。

動画内では
扁平や陥没乳頭について話している一部です。

乳頭は平滑筋でできているので
マッサージや赤ちゃんの吸啜刺激により
伸展します。

できれば妊娠中からのケアが大切ですが
施設によっては妊娠中に乳頭チェックがないところもあります。

ママたちも妊娠中は陣痛や出産の不安が大きく、
産後は母乳が出るもの、赤ちゃんも吸えるものと
思っていることが多いです。

妊娠中から赤ちゃんがいつでも吸える状態に乳首をケアしておくこと、
母乳育児がどのように軌道に乗るかを知っておくことは
母乳育児をしたい方にとってはとても大切なことです。

陥没乳頭の方には乳頭吸引器やプチパットなど
乳頭の伸展を促すグッズもありますが
他にもしておくと良いケアがいくつかあります。

そしてもし妊娠中にケアができなかった場合は
はじめの授乳、インプリティングが重要です。

赤ちゃんは本能的にママのおっぱいを吸おうとします。
これは生まれてすぐでも
ママのお胸に密着させていると
においを感じてもぞもぞと自ら乳頭のほうへ移動し
くわえてくれることもあります。

それが本当に上手に吸うんです。

施設によって産後のルーティンもあると思いますが
ママも赤ちゃんも元気ならば
赤ちゃんをすぐにベビー室に連れて行ったり
ウォーマーで様子を見るだけでなく
ぜひ分娩台の上で、直母にトライしていただきたいです。

もし人手が足りなかったり、時間的に厳しければ
抱っこしたり触れ合うだけでも大丈夫です。
肌と肌の密着でもオキシトシン濃度は高くなります。

産後にニップルを使うのか?
直母の練習をどこまでするのか?
これも悩むところだと思いますが
基本的には
「赤ちゃんの嫌がることはしない」が鉄則。

助産師が無理に吸わせようと頑張ると
赤ちゃんの頭を無理におさえつけがちです。
赤ちゃんは頭を触られるのが苦手です。
それを見ているママは
赤ちゃんが嫌がって泣いていても
頑張って吸わせなければいけないと思わせてしまいます。

赤ちゃんは無理にされたことを覚えるので
授乳が嫌な思い出になります。

そしてママも授乳の時間が苦痛になります。

乳頭混乱でママの乳首を吸えない、というご相談は
当院でもよくあるのですが
直母の練習が嫌な思い出になっている赤ちゃんは
授乳クッションに乗せた途端に
のけぞって泣いてしまうことも多いです。
ママも力が入って緊張しているので
それも赤ちゃんに伝わり、居心地も悪いのです。

そのような場合は直母の練習のかわりに
哺乳瓶でおっぱいを飲む練習、サックトレーニング
(これもコツがあります)だけ
おうちで頑張ってもらって、
直接吸わせる練習は控えてもらう場合もあります。

乳頭が赤ちゃんの吸いやすい長さや柔らかさに整うまで
授乳の練習はしない場合もあります。

ママの乳首と、赤ちゃんの準備が整ってから
改めて授乳練習をすると
すんなり飲めることもあるのです。

なので、助産師としては
入院中になんと吸わせてあげたい気持ちも分かるのですが
時間が必要であることも覚えていてほしいです。

そしてそんなママは
地域の助産院や母乳育児支援をしている助産師に
ぜひ繋いでいただけたらと思います。

今回来てくださった助産師さんは
素晴らしい質問をたくさんしていただきました。

もっと助産師として自信をもちたい、
この知識をいかしてたくさんのママに寄り添いたい、
そんな気持ちがひしひしと伝わってきました。

こんなに熱心で、優しい助産師さんが
私の研修でさらにパワーアップされ
悩むママたちへ還元されることが
とても嬉しいです。

助産師向けの乳房ケア研修は随時受け付けております。
明日からおっぱいをみるのが楽しみになる研修です。
助産師の経験年数は問いませんので
気になる方はホームページをご一読ください!






しお助産院

【営業時間】 平日 10:00〜14:00(最終受付13時) 完全予約制です。 産後デイケアは随時受け付けております。 【お知らせ】 4/30、5/7、5/14、5/21、5/28は 午前中に助産師学校へ講義に出向いていますので ご予約は午後のみ受付になります。

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