ヨードのこと

新型コロナウイルス対策として
大阪府の知事がうがい薬をすすめています。

科学的根拠がない!とも言われていますが
テレビなどでこういった放送があれば
みなさん買い占めてしまいます。

佐賀県内の薬局でもさっそく欠品になっているようです。

私がこのニュースをみて思ったこと。
私のところには妊婦さんもたくさんいらっしゃいます。
うがい薬買ってないかなぁ…と心配になりました。
妊娠中にうがい薬は、しないでくださいね!!

イソジンのうがい薬にはヨードが含まれます。
妊娠中のヨード過剰摂取は
赤ちゃんの甲状腺機能低下症の危険があります。

ヨードとはわかめや海苔、ひじきなど
海藻に多く含みます。
ヨードは赤ちゃんの脳や骨をつくる大事なミネラルです。

日本人は海藻やこんぶのお出汁など
ヨードを摂取することが多い人種なので
意識しなくても必要量はとれています。
栄養バランスを考えて
マルチビタミンやミネラルなどのサプリを
ふだん飲まれている方も注意です。
ヨード(ヨウ素)が入っている場合があります。

それに加えてうがい薬のヨードは
過剰摂取になってしまいます。

妊娠中に使ってしまった…!という方は
習慣的にイソジンうがいをしていなければ良いので
コロナ予防に毎日使おう〜は、
やめておきましょうね。

のどの痛みにはヨード無しのうがい薬も
産婦人科でちゃんと処方してくれます。
主治医にご相談くださいね。
むしろ水うがいでもじゅうぶんです。


そしてもう一つ。

出産された方の母親の
母乳にコロナ陽性の判定がでた。
母乳はあげて良いのか?の討論です。

世界保健機関WHOは
"母乳を介した感染の有無を結論づける
じゅうぶんなデータがない"
としています。
母乳には感染症から赤ちゃんを守る
免疫が多いことから
マスクや手洗いをして母乳育児をすすめています。

ラクテーションコンサルタント
(国際基準の母乳育児支援専門家)は
"現段階で母乳からの感染例はない。
母子分離をせずに感染予防に徹底して
母乳育児を続ける選択にも寄り添うべき"

と、母乳育児をしても良いとの考えです。

一方
日本産婦人科学会は
"母親が陰性になるまで母子の接触を避けるべき"

日本小児学会は
"直接の授乳は避けて搾乳を与えるべき"

と、反対の考え方です。


何が正解か分かりませんね。
きっとママも迷うだろうと思います。

私はそのときのママの状態、症状の程度、
赤ちゃんの状態、おっぱいの状態、
トータルでみたときにどうしていくか?と
考えた方が良いのかなと思います。

コロナ陽性の場合は
防護服も何も無い当院では
おっぱいケアができませんので
対応施設でご相談くださいね。
妊婦さんやまだ授乳中のママが
陽性にならないことを祈るばかりです。


今年、妊娠や出産をされる方は
コロナに振り回されて本当に大変だと思います。
それでも一生のうちにそう何度も経験しない
大切な妊娠、出産です。
できることは限られてしまうかもしれませんが
今しかできないこともたくさんあります。

情報の渦に振り回されず正しい知識を持って
楽しく過ごしてくださいね。







しお助産院

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