家族計画について
看護学校へ授業へいったときに
学生さんが家族計画についてまとめて発表してくれました。
(またまたスライドをお借りしました)
家族計画とは
いつごろ、何人の子どもを希望するか
家族でよく話し合って決めることです。
そこで学生さんたちが着目したことが
若い人の人工妊娠中絶と同じくらい
30〜40代の世代の中絶もあることです。
素晴らしい視点です!!
実際に産婦人科で働いていても
もうすでに子どもが◯人いるから、と
経済的、体力的な理由で中絶される方が多い。
もうこの年齢なので自然妊娠なんかしないと思っていた、
予想外の妊娠でした。
という方も多い。
生理がきていればいつでも妊娠の可能性があります。
授乳中の方も
授乳をしていると生理が来ない人も多いですが
排卵だけしていて
産後の生理再開をみないまま
次のお子さまを妊娠される方もいらっしゃいます。
希望しない妊娠は避けること。
しかしこの世代は
性教育もきちんと受けていないので
避妊法もあやふやです。
産後のママへ知って欲しい避妊法
①コンドーム
1番手軽な避妊法ですが
避妊率は正しく使用しても85%です。
男性主体になるので
協力してくれるパートナーでないと難しいです。
②ピル
低容量ピルは毎日同じ時間に飲む薬です。
産婦人科で処方してもらいます。
自費になるので1シート1ヶ月3000〜4000円の
お金がかかること。
授乳中はホルモン剤なので
母乳の分泌に影響するので飲めません。
完全ミルクのママなら🙆♀️
③卵管結紮(らんかんけっさつ)術
手術になるので帝王切開の方におすすめです。
今後妊娠を希望されない方は帝王切開のときに
赤ちゃんが産まれた後
左右の卵管を糸でくくり避妊します。
手術前に主治医へ必ず相談してくださいね。
③IUD
1番私がおすすめするのがIUDです。
避妊リングともいわれます。
子宮の中に入れておく器具です。
産婦人科の外来で比較的簡単に挿入できます。
種類がいろいろとあるので
値段は2〜4万円と幅があるのですが
一度挿入したら3〜5年そのまま入れておいても
避妊効果が非常に高いということです。
妊娠したいと思った時には
いつでも産婦人科の外来で簡単に抜去できます。
コンドーム、失敗したかも…😵💫の不安もなく
(性感染症予防はコンドームが必須ですが!)
ピルのように毎日内服する必要もなく
卵管結紮のように手術ではない。
気になる方は近くの産婦人科で
取り扱っているか一度問い合わせてみてください😊
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以下、中絶の内容について詳しく書きます。
気分が悪くなりそうな方はこれから下は
読まないでください。
人工妊娠中絶ができるのは
妊娠21週6日までと法律で決まっています。
12週未満であれば
全身麻酔をしたあとに
子宮の中を掻き出す搔把術(そうはじゅつ)
もしくは子宮内を吸い出す真空吸引法をおこないます。
麻酔が効いて寝ている間に終わっていて
手術時間も10分程度です。
自費なので10〜15万円かかります。
12週以降であれば
普通の出産と同じです。
子宮の入り口をひろげる処置をして
陣痛をおこす薬を使います。
小さい赤ちゃんを産まなければいけません。
役所に死産届けを出す必要があります。
費用は通常の出産と同じくらいかかります。
中絶は痛みを伴います。
お金もかかります。
何より精神的につらいです。
中絶を決めた人を責めることはしません。
それも自分の選択なので間違いではないのです。
たくさん悩んで泣いて決めたことです。
ただ、そこに至るまでに
知っておいてほしかった。
こんな避妊法があるんだ、ということを
頭の片隅にでもいいから置いておいてほしかった。
「産んであげられなくてごめんね」と
自分を責めて泣いてる人をみるたびに
助産師として私ができること、
たくさんあったんじゃないかと悔しくなります。
生まれてくるいのち、
生まれてこれなかったいのち、
全部に意味があります。
どんな意味があったでしょうか。
悲しい思いをする人が
1人でも減りますように。
中高生の若い世代だけではなく
私たちのような世代の方にも
こうした性教育を続けていきたいです。
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